薬膳で笑顔咲く

自然界の食材の恵みで人の健康を紡ぐ薬膳

『薬膳』って何?


薬膳って何?
薬膳(料理)を暮らしの中に摂り入れると、日ごろ感じる不調が出ても、体質改善で元の元気を少しづつ取り戻していくことが期待できます。
これは、薬膳が、病気自体に目を向けずに、病気をうむ体質に目を向ける、中医学(中国医学で漢方の元)特有の考えに沿っているからです。
中医学は、陰陽論と五行説という自然哲学を摂り入れています。

陰陽論って何?

自然界の事物、人体、そして食材などあらゆるものは、に分けられていて、互いに依存しあい対立しあう関係と言われます。
例えば、天は陽、反対に地は陰のように、昼と夜、日と月、春夏と秋冬、男と女、背と腹、上半身と下半身は陽と陰の関係です。
身体では、陰は血と水分の津液を、陽は気という生命エネルギーを指します。
食材では、唐辛子、ショウガ、ネギ、ニラ、エビなどは食べると体を温めるので
スイカ、トマト、キュウリ、大根、ニガウリなどは食べると身体を冷やすのでとなります。
陰の血と水分の津液と、陽の気のバランスが同じで平衡であれば、不調も感じにくくなります。一方、血と水分の陰と、気の陽、どちらかの過剰や不足でバランスを崩すと、不調を感じやすくなります。

五行(ごぎょう)って何?

五行説は、自然界のすべてのものは「(もく)」「(か)」「(ど)」「(ごん)」「(すい)」から成り立っていて、互いに助け合ったり、抑制しあったりしながらバランスを保っていると考えます。
「木」は樹木が生長していくのびやかな様子を表し、「火」は炎のように上に立ち昇る様子を表し、「土」は万物を育てる大地を表し、「金」は金属の清涼さを表し、「水」は水の冷たさを表しています。
からだの肝・心・脾・肺・腎の五臓も、春・梅雨・夏・秋・冬の季節も、酸味・苦味・甘味・辛味・塩辛い味の味も、怒る、喜ぶ、思う、悲しむ、恐れるなどの感情も、五行説の「木」・「火」・「土」・「金」・「水」に対応しています。
特に五臓は、からだの中で単独で存在するのではなく、互いにバランスを取りながら、協調しあっているとき、健康な状態を保っていくと考えています。
もしも不調が出始めていても、この五行説を体質改善の治療の一部にあてはめて、自然と身体が元に戻ろうとする回復力につなげることができます。

薬膳Q&A

薬膳って、難しそうっていうイメージですが、どんな料理ですか?
提中
薬膳は、美味しいだけを目的に作るお料理、お食事ではない点でそういうイメージを持たれることが多いです。ただ、人によって体質は違いますので、同じ食材を食べても健康になれる人と、反対に、健康から遠ざかっていってしまう人がいます。これは、体質の違いです。
薬膳は体質診断で体質を調べることで、どんな食材が合うのか、そうでないのかも理解していただける点で、病気予防、不調予防ができる今注目されている食事です。

薬膳は、高価な食材をわざわざ購入しないと作れない料理ってイメージですが、…。
提中
もちろんネットでしか購入できない、あるいは、漢方薬局でしか購入できない高価な生薬や食材を購入して作る薬膳料理もあります。ただ、基本はスーパーにある食材で十分薬膳料理は作れます。
食材でも、きちんと体質診断でご自身の体質がどの体質に当てはまるのか把握されて、体質にあった食材を知ることで体質改善が可能になります。

薬膳は、塩分を制限する食事ですか?
提中
薬膳は、基本は薄味で素材の味を生かしたお料理ですが、塩分だけを調整する食事ではないと言えます。上記の答えを参考になさってください。

薬膳は、発酵料理とどう違うのですか?
提中
一番違う点は、料理、献立を考える手段でしょう。
薬膳は発酵料理と違い、個人の体質をベースに体質改善のための食事の献立をたてていきます。
そして、からだの根本から整え治すことで、自然と気になる不調が和らいでいくことを目的とします。
中医学の考えを食事に取り入れて、ふだんの食材を使って漢方薬の食事版のように体質改善していきます。

薬膳料理は、旬に合わせたお料理ではないのですか?
提中
たしかに、春夏秋冬に合わせて旬の野菜を使ったお料理というイメージを持たれる方が多いですね。
もちろん旬に合わせた野菜などの献立をたてることも良くありますが、それだけではありません。
まずは、個人の体質や不調に合わせた献立をたてるので、旬以外の野菜などを使用する場合もございます。