薬膳で笑顔咲く

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閉経が早い遅いの時期の違いに関係する正体は?

こんにちは。

国際薬膳師 提中 知子です。

 

 

古い古い医学書「黄帝内経素問」(紀元前722頃~紀元前221年ごろ成立)は、最古の本格的な医学書。

人体の生理、診断、治療、予防などについて記載されています。

 

こんなに古い医学書ですが、今でも十分、むしろ今だからこそ新しい知識が詰まった医学書と言えます。

この書物の中に、年齢と体の老化について書かれた箇所があるのでご紹介しますね。

 

「女子は、49歳になると月経は停止する。

それゆえからだは老い衰えて、もう再び子を産むことはできない。」

 

49歳よりも早くに閉経を迎えてしまわれた方、50歳を過ぎても、まだ閉経されていない方。

この違いを、中医学から考えてみますね。

 

月経が停止するということは、一つは、体の中の臓腑(肝、心、胃腸など)に配っている血や水分以外の分量がもう余っていないということの現れと考えられます。

月経が停止する閉経の時期が、人それぞれ違うのは、人それぞれの血や水分の量に起因しています。

 

40代で閉経を迎えた人と50歳になってもまだ閉経を迎えていない人との違い。

これは、からだの血や水分の量の違いで、食べ物、生活環境、生活習慣、風土、感情の持ち方が関係しています。

 

早い閉経は、それだけからだの血や水分が少ないわけなので、閉経後にさまざまな更年期の症状。

それに病気を発症することにもつながってくることは避けられないと言えます。

 

血液検査やCT検査をしなくても、東洋医学は生理の閉経時期、生理の状態などから、このようにからだの中の状態や健康度も知ることが出来ます。

40代で閉経されたなら、どんなことに気を付ければいいでしょう?

更年期のつらい状態を感じやすい傾向が高いので、出来るだけ症状を予防できる食事がおすすめです。

 

特に、塩辛い食事、脂っこい食事はからだに熱を生む傾向なので避けましょう。

この熱は、湿熱という病理産物で、これが、更年期の症状や重い病気の原因にもなると考えられます。

 

薬膳料理は、キホンは素材の味を生かした薄味の料理です。

しょうゆ、酒、砂糖、油も使いますが、かなり薄味に仕上げます。

 

もしも、毎日の食事で濃い味付けになれていたら、こんな方法で薄味に慣れてみましょう。

市販のソース類、調味料は極力使わないことです。

 

時短のために、市販のソース類をつい使ってしまうなら、かなり濃い傾向の料理に仕上がります。

このソースを自分で他の調味料でアレンジできると、薄味の美味しさに気づけてきます。

 

月経は、からだに湿熱という要らない熱があると、この熱が原因でからだの血や水分が余計に消耗され、

結果、早い閉経になってしまうこともあります。

薄味の料理は、湿熱を生みづらいので、閉経の時期を遅らせ、更年期のつらい状況も緩和できると言えます。

 

薄味の料理を食べて、どんどん病気に近づく人はまずいらっしゃいません。

いきなり毎日の献立が薄味だと食べる楽しみがなくなります。

まずは、薄い味か濃い味かどうか、一度見直してみられることから始めると良いと思いますよ。

お読みいただき、ありがとうございました。